治療について

「SMA(脊髄性筋萎縮症)の治療はあるの?」

SMAの治療について、Q&A形式で解説しましょう。

(監修 東京女子医科大学付属遺伝子医療センター 斎藤加代子先生)

 

Q:SMAの治療について説明して下さい。

A:日本も参加した国際共同企業治験の結果により、2017年に核酸医薬品(ヌシネルセン【スピンラザ髄注12mg】以下参照)の髄腔内投与がSMAにおける治療として承認されました。影武者のような存在のSMN2遺伝子に作用してSMN蛋白質を産生する機序です。発症前や発症早期に治療を開始することにより、Ⅰ型においては気管切開や人工呼吸管理を回避できる可能性、他の型においても順調な運動機能獲得の可能性があります。しかし、リハビリテーションの重要性はむしろ高くなってきており、SMAにおける骨格筋の発達や再生、バランス良い筋力獲得のために必要です。
 また、2017年にⅠ型において、アデノ随伴ウイルスベクターを用いた静脈投与による遺伝子治療(オナセムノゲンアベパルボベク【ゾルゲンスマ】)の成功が医学雑誌に報告され、日本の未発症の赤ちゃんも参加した国際共同治験で有効性が証明され、2020年5月から、2歳未満の子ども達を対象に保険収載されました。アデノ随伴ウイルス血清型9(AAV9)にSMN遺伝子を組込んだ薬剤で、1回1時間かけて点滴する静脈注射です。脊髄前角細胞に効率よく入り込み、SMN蛋白質を作るようになります。投与を受けた人の細胞のDNAの中には組み込まれないように、また体内においてAAV9が増殖しないような構造になっている薬剤です。SMAを発症した場合には、できるだけ早く、できれば発症する前に治療をすることが、遺伝子治療の効果を引き出し、副作用を抑えていく秘訣です。
 そして、2017年から始まった低分子医薬品(リスジプラム【エブリズディ】)が、2021年6月に日本でも承認されました。これは内服薬でイチゴ味のシロップです。Ⅰ型の乳児の治験と、歩行が不可能なⅡ、Ⅲ型の方達が参加した国際共同治験の結果、承認されました。特に、脊柱の手術をした方や2~25歳という幅広い対象の治験でしたが、その効果が証明されました。2021年8月より、保険収載されました。
 新しい治療薬による治療をお受けになる方が増えてきている一方で、従来の「ケア」の概念も重要です。例えば、SMAのⅠ型やⅡ型の乳児期発症の方では、授乳や嚥下が困難な場合には、チューブ栄養が必要な場合もあります。胃瘻の造設が必要となることもあります。また、治療を受けていても、呼吸器感染、無気肺を繰り返すことにもあり得ますので、注意しなければなりません。鼻マスク人工呼吸法(NIPPV)は有効と考えられますが、乳児例への使用には多くの困難を伴います。また、筋力にあわせた運動訓練、関節拘縮の予防などのリハビリテーションが必要です。Ⅲ型では歩行可能な状態をなるべく長期に維持できるように、また関節拘縮の予防のためにもリハビリテーションを行い、装具の使用などを検討し、小児神経医、脳神経内科医、整形外科医、理学療法士等の連携が必要です。SMAにおける新しい治療をお受けになりながら、適切な医療管理と理学療法により、より良い効果を引き出していくことが、重要であると考えます。

 

Q:SMAの治療薬は?

エブリスディ ドライシロップ60mg

脊髄性筋萎縮症治療剤【エブリスディ®ドライシロップ60mg】は2021年6月23日に製造・販売が承認され、同8月11日に薬価収載・保険適用・販売が開始されました。

【エブリスディ®ドライシロップ60mg】添付文書は下記からダウンロードしてください。また併せて、【エブリスディ®ドライシロップ60mg】患者向医薬品ガイドもご参考ください。具体的な用法・用量、および使用における条件や注意点、副作用などについて、詳しく記載されています。治療を希望・検討する際は、この添付文書と患者向医薬品ガイドを各医療機関や主治医にご提示の上、ご相談ください。 【エブリスディ®ドライシロップ60mg】に関する詳細は主治医から中外製薬株式会社に問い合わせて頂きますようお願いします。

エブリスディ®ドライシロップ60㎎

添付文書

エブリスディ®ドライシロップ60㎎

患者向医薬品ガイド

ゾルゲンスマ点滴静注

遺伝子治療薬【ゾルゲンスマ®点滴静注】は2020年3月19日に製造・販売が承認され、同5月20日に薬価収載・保険適用・販売が開始されました。

【ゾルゲンスマ®点滴静注】添付文書は下記からダウンロードしてください。また併せて、【ゾルゲンスマ®点滴静注】適正使用指針もご参考ください。具体的な用法・用量、および使用における条件や注意点、副作用などについて、詳しく記載されています。遺伝子治療を希望・検討する際は、この添付文書と適正使用指針を各医療機関や主治医にご提示の上、ご相談ください。 【ゾルゲンスマ®点滴静注】に関する詳細は、主治医からノバルティス・ジャパンに問い合わせて頂きますようお願いいたします。

ゾルゲンスマ®点滴静注

添付文書

ゾルゲンスマ®点滴静注

適正使用指針

ゾルゲンスマ治療体験談  ~全国の会員より~

SMAの遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」を投与した会員家族より、貴重な体験談が寄せられました。患者の状態、投与までの経緯、実際の投与の様子や効果など、差し支えない範囲で紹介されています。ぜひご覧ください。

スピンラザ髄注12mg

投薬を開始する医療機関につきましては、下記URLの病院リストをご参照ください。

新薬【スピンラザ髄注12mg】は2017年7月3日に製造・販売が承認されました。 同8月30日に薬価収載・保険適用・販売が開始され、同9月22日に遅発型(Ⅱ型・Ⅲ型以降)への適応が承認されました。 【スピンラザ髄注12mg】の添付文書は下記からダウンロードしてください。 具体的な用法・用量、および使用における条件や注意点、副作用などについて、詳しく記載されています。 使用を希望・検討する際は、この添付文書を各医療機関や主治医にご提示の上、ご相談ください。 【スピンラザ髄注12mg】に関する詳細は、主治医からバイオジェン・ジャパン株式会社に問い合わせて頂きますようお願いいたします。

スピンラザ治療体験談  ~全国の会員より~

SMAの新薬「スピンラザ」を投与した(投与予定者を含む)会員家族より、貴重な体験談が寄せられました。患者の状態、投与までの経緯、実際の投与の様子や効果など、差し支えない範囲で紹介されています。ぜひご覧ください。