スピンラザ治療体験談

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

【体験談1】

「待ちに待ったスピンラザの投薬」

我が家には2歳半になるSMA1型の息子がいます。生後1ヶ月のころから筋緊張低下を疑われ、4ヶ月の時に呼吸状態がおかしいということで大学病院に緊急入院となり、まもなく気管切開して24時間人工呼吸器装着となりました。入院後の早い段階で遺伝子検査もしていて、SMN1遺伝子が0コピーで、SMN2遺伝子が2コピーという結果が出ていました。その後、退院して在宅に移行し、そこからは大きく体調を崩すこともなく落ち着いた生活を送っています。 在宅移行後も同じ大学病院をずっと受診し、スピンラザもそこで投薬しています。ただ、すぐに投薬を開始できたわけではなく、投薬に至るまでには少し時間を要しました。

日本でスピンラザの承認申請がされたころから、毎月の受診のたび、主治医の先生に「できるかぎり早く投薬をしたい」と希望を伝えていました。この時点ですでに息子は1歳をすぎていて、劇的な改善を期待していたわけではないのですが、わずかに残っている表情や指先の動きを見ながら、薬の投薬を早く早くと思っていました。

2017年7月にまず1型について承認がされ、もう少しで投薬できると思っていたところ、8月に入って主治医の先生から「うちの病院では(少なくとも現時点では)投薬の見込みがたたない」と伝えられ、この時から投薬してくれる病院探しが始まりました。 主治医の先生が近郊で神経筋疾患専門の病院や投薬の可能性がありそうな病院の状況を調べてくださったり、自分たちでもセカンドオピニオンで受診したことのある病院に問い合わせたりしました。でも、いくら探しても、近郊ではなかなか受け入れてくれる病院がないという状況 がしばらく続きました。

9月になって、問い合わせしていた病院のひとつから、投薬につながるかどうかは保証できないけれど診察だけならば受け入れるとの返答があり、主治医の先生とその病院の先生とで調整していただき、10月に診察に行くことになりました。診察をうけたタイミングでは、まだ病院として投薬の体制を整えている段階とのことでしたが、どこかのタイミングで投薬することは可能だろうと言っていただき、12月に評価入院する予約をして帰りました。早い病院ではもう 投薬が始まっているようでしたが、息子についてはようやくそこで投薬につながる足がかりを 得ることができました。

ところが、この初診のあと少しして、主治医の先生から、急きょ大学病院のほうで投薬にむけて前向きに検討することになったとの連絡があり、その後は本当に、これまでの停滞していた状況が急転しました。

初回の投薬が11月下旬に正式に決まり、レントゲン撮影で背骨の状態を確認して、さらにどういった姿勢で注射するかを確認したりしました。レントゲンで軽い側彎がみつかりましたが、髄注には問題ないとのことでした。そして初回投薬から2週間後、4週間後、とスケジュール通りにこれまで3回の投薬が完了しました。

投薬は毎回、一泊二日の入院です。午前中に診察をして体調チェック、投薬は午後の何時といつも時間が決まっていて、投薬45分前に背中に痛み止めシールのパッチを貼ります。処置室に入ってから出てくるまでは45~90分くらいです。処置中は病院が用意してくれたアニメのビデオを見ていて、本人はとても落ち着いているそうです。穏やかな顔つきで処置室から帰ってきます。初回にいたっては注射している最中に、本人はスヤスヤと寝入ったそうです。処置の後は水平を保って1時間安静にしています。数時間ごとに背中の注射の後を確認し、翌朝問題がなければ退院です。針を刺したところから血がにじみ出たことがありましたが、退院を見合わせるような大きな問題はありませんでした。

3回の投薬を終えて、今のところ劇的な変化といったものはありませんが、手指や足首の動きが少し大きくなったように感じます。スイッチもしっかり押せているようです。また、ここ1年ほど動くのを見ていなかった下あごもわずかに動くようになりました。呼吸状態も以前より 良くなったようです。

変化はとてもゆっくりで、ある日指がよく動くと思ったら、次の日はあまり動かしてくれなかったりと、一喜一憂しながら毎日を過ごしています。このあとも投薬を継続し、安定して動作の状態を保っていけたらいいなと思っています。

【体験談2】

「スピンラザ投与(2回目)」

九州在住の2歳8か月の1型男児の家族です。12月13日にかかりつけの大学病院で投与を開始し月末には2回目の投与を無事に終えました。

息子は、生後2か月ごろにSMA1型の診断を受け、半年を待たずに気管切開して人工呼吸器を装着しました。10か月ごろから在宅生活に戻り、幸い大きく体調を崩すことなく生活を送っています。発症後は徐々に身体を動かせなくなり、投与の直前は指先をわずかに動かせる程度でした。

スピンラザについては、息子がSMAと診断されて2か月くらいたった頃国内でも治験が行われているという情報を知りました。すぐに実施病院の受診予約をしましたが、その後病状が急速に悪化し、治験を受けることは叶いませんでした。 その後も、インターネットを通じて情報収集を行うほか、SMN2遺伝子のコピー数を調べるなど、承認された際にすぐに動けるよう自分たちなりに準備を行ってきました。

投与開始は、スムーズには決まったわけではなく、なんとかこぎつけたという感じです。参考になる部分があるかもしれませんので、少し詳しく書かせていただきます。

まず、病院からは治療薬についての積極的な情報提供は全くありませんでした。 そこで、正式に承認されてから話をしては遅いと思い、部会で製造販売の承認が出た時点(6月)で小児神経医のトップである教授あてに主治医を通じて治療の実施に関する要望書を提出しました。

要望書を出したことで、病院側に家族の意思をはっきりと伝えることができ、積極的に問い合わせられるようになったのでよかったと思います。それでも病院側が具体的な検討をはじめてくれたのは9月に入ってからでした。

検討開始後も、院内会議のたびに運営側からの慎重意見や新たな宿題が出されなかなか話は先に進まず、10月には再度要望書を提出しました。

11月上旬には主治医から年内に投与が決まるのは難しいかもしれないという話があり、他県の病院にも問い合わせも行いました。(結果は、投与可でした。)

他院への問い合わせが功を奏したのか、その後検討が先に進みなんとか年内の投与が決定しました。

時間がかかりすぎという思いはありますが、地方の国立系の大学病院でありながら、運営側と粘り強く折衝し、年内に投与を実現してくれた先生方には心から感謝しています。なお、1年たった時点で効果が見られなければ投与を打ち切るという条件が付いています。

投与を迎えるにあたっては、事前に1泊2日で検査入院をしました。指先がどの程度動かせるかをスイッチで調べたり、ホルター心電図、筋電図などの検査を行いました。

投与は、2泊3日で入院し、中日の午前11時頃に行いました。

朝6時に通常どおり食事(ラコール注入)をし、投与の30分ほど前に貼るタイプの局部麻酔をして病棟内の処置室へ移動しました。

初回の投与時は、医師3名に加え学生など多くのギャラリーが見守る中、側臥位をとり(この時点で親は退室)脊髄に注射針を刺したまま30分待つ必要がありました。理由は、針が刺せることを確認してから、薬が常温に戻るのを待ったためです。

褥瘡対策のため柔らかいパッドをかなり厚めに敷いてもらい、長時間の側臥位でもアザはできませんでした。

ただ、汗だくで心拍は190まで上がったそうです。それでも投与は1発で成功し、トータル40分程度で無事に終わりました。

投与後1時間は安静が必要で、若干熱も上がりましたが、14時には普通に食事をして日常のサイクルに戻りました。夜もぐっすり眠って、翌日の昼前には退院しました。

2回目の投与も2泊3日で、今回は暑さ対策を講じてもらったおかげで汗もかかず落ち着いて終了しました。評価は毎回ではありませんが、次回投与時には行う予定です。

効果としては、退院した日から、身体にしっかり感がでてきたことがわかりました。その後も、毎日最低でも1時間以上手足や体幹を動かしているのですが、着実に筋力が高まってきているのが実感できます。

例えば、6日目にははじめて支えなしで立膝がキープでき、その後も少しづつ頻度や時間が増えています。手も以前よりも明らかに動きが大きくなりました。

はじめて身体が動かせる方向に成長する我が子を見ていると、身体を動かしてあげるのが嬉しくて仕方がなく、今後の期待が高まります。

現在のところ大きな副作用もなく、スピンラザの投与を受けることができて、本当によかったと思います。

【体験談3】

●患者の状況 年齢:1歳4か月 / SMA型:Ⅰ型 / 側弯:無し 呼吸の状態:24時間人工呼吸器(気管切開) 医療ケアの程度:吸引は、3~40分に1回の頻度。経鼻経管栄養摂取。

●スピンラザを投与するまでの経緯

主治医からは、確定診断時当初から新薬の説明はありました。「新薬が承認されれば、投与する事は可能」とまでの説明は受けていました。その後、主治医から新薬の進捗についての積極的な説明はありませんでしたが、自ら情報収集し、時折、新薬投与についての確認を主治医には行っていました。 承認されると、製薬会社の説明会に主治医が参加したりと、新薬投与への知識受入を積極的に行ってくださったことが、薬価収載後のすぐの投与につながったと思います。 ただ、スピード承認であるゆえに見切り発車感は否めないこと、ガイドラインがないので将来的なことは未定だが、年単位で効果は見ていく、という説明が事前にされました。  

●投与時の詳細 ・投与前の検査項目:筋電図 ・入院日数:5日間(主治医からは投与翌日の退院も可能との説明あり。レスパイトも兼ねて 5日間) ・処置の様子:手術室にて処置(病棟に処置室がないため。今後は病棟の個室での投与になる 可能性あり)。主治医ほか医師数名立ち合いのもと、側臥位にして、局所麻酔の後、腰椎穿刺。緊張をほぐすため、アニメDVDをながしながら投与。時間にして1時間弱。処置後は仰臥位 で1時間の安静。 ・投与時の痛みの程度(麻酔等も含め):局所麻酔時に、少し泣く様子はあるものの、処置後、 変わった様子は特に見られず。

●投与後の様子や効果

投与後、発熱等の副作用は特段見られず。入浴も翌日から許可。心拍の上昇がないことから、腰椎穿刺の痛みもないと考えています。投与10日後に体の動きに変化があり、指先・足先の動きが少し大きくなりました。それと共に、日ごとに足首の返し、口の開き、肩の動きが少しずつみられるようになりました。4回目の投与が済んでいる時点で、表情は豊かになり、肘を支えてあげれば肘より先を動かします。手の握りも強くなり、軽いものならにぎにぎします。スピンラザと直接の因果関係があるかは定かではありませんが、投与前は、SPO2が95を下回る事が多く、吸引の頻度も多かったです。投与後は、季節的に涼しくなったからか、SPO2も95以上で推移することが多くなり、吸引回数が大幅に減りました。確定診断が出る頃(生後6か月の頃)、3週間ほど挿管をしていました。その間に少し動いていた体の動きが、急になくなった感じがあります。スピンラザ投与後は少しずつ動きがでてきましたが、例えば首の動きは寝ている時のほうがあり、無意識の時の方が動いています。本人が体を動かす感覚を忘れてしまっているように感じます。今後は、リハビリを通して、動かすことの意識付けをしていく事も大事だと思います。

【体験談4】

「1クール(4回)の投与を終えて」

4歳の息子(1型)は生後半年で気管切開をし、人工呼吸器を24時間装着しています。毎日マッサージやストレッチを続けてきていて側弯はありませんが、徐々に膝裏がまっすぐ伸ばせなくなり、手指もやや曲がってきていたり、ベル状の胸郭になっています。それでも大きく体調を崩すことなく、在宅生活を送っています。 

スピンラザの治験が海外で先行していることは、4年前に息子がSMAと診断された直後にインターネット検索で知りました。以後、知り得る限りのスピンラザ情報を主治医に共有してき ました。 

今年の夏に日本でスピンラザが承認されてからは、病院で投与できるように主治医が積極的に動いてくれたおかげで、9月に初回投与へ至りました。高額な新薬ゆえ病院側にリスクが大きいという理由で、病院の上層部は慎重論もあったと聞いています。主治医には心から感謝するばかりです。 

初回投与に備え、自宅で訪問PT・看護師にみてもらい「髄注」の姿勢を練習しました。人工呼吸器の回路が邪魔にならないよう工夫したり、側臥位に必要なクッションを用意したり。健常な子供が背中をぐっと丸めるほどには至らないものの、「これくらいできれば大丈夫だと思います」と訪問PT・看護師に言ってもらえました。 

初回投与は2泊3日の日程でした。入院初日は胸部レントゲン、心電図、全身のCT(筋肉の状態をみるため)、末梢神経伝導検査を行い、最後にリハ室へ移動し評価リハがありました。評価方法は国内外でまだ決まったものはないそうですが、「CHOP INTEND」という治験で使われた評価項目で行われました。またその場には小児科医も同席し、側臥位で髄注の姿勢をとらせての確認もありました。 

2日目は午後に投与のため、朝8時から絶食、昼12時から絶飲となりました。病棟内の処置室へストレッチャーで移動し、大勢の医師の見守る中でまず点滴ルートの確保、続いて髄注の側臥位へ。持参したクッションを使い、iPadで好きな映画を見れる姿勢を作ったところで親は退室。鎮静剤で15分ほどうとうとした間にスムーズに投与が終わり、親はまた処置室内へ呼ばれました。鎮静剤だけで痛みもなかったようで、「腰椎穿刺した瞬間も、心拍は全く変わらなかったです」と担当医に説明を受けました。血圧チェックの後、すぐストレッチャーに乗り換えて病室へ戻り、1時間の安静。1時間後の バイタルチェックで胃の動きも問題なかったので、水分や食事の注入を再開しました。投与から3時間後には、穿刺した箇所の保護テープも外して清拭もできました。一晩ぐっすり眠って、翌朝にはいつもの様子で退院できました。 

ちなみに3回目と4回目の投与では、投与1時間前くらいに痛み止めのテープを念のため貼りましたが本人は痛みの記憶もなさそうですし、iPadで気を紛らわす(リラックス)できているようです。 

2回目からは1泊2日の投与入院となり、初日の午後に投与して翌朝退院というスケジュールで、本人も病院側もすっかり慣れた印象です。評価リハもその都度行い、担当PTからは「最初に比べずいぶん体が変わりましたね」と言われました。 

親が気づく範囲の投与後の変化としては、ほんの少しずつでも確実に力強くなってきた点です。 例えば、以前は仰向けで1秒もできなかった立膝が、立膝にしてあげるとそのまま1分キープできたり。幽霊のように手首からダラリと垂れ下がった手も、以前はそのポジションから背屈へ戻せなかったのがスッと戻せるようになったり。張っていた頬が柔らかくなり、全く動かなかった下顎も少し動かせるようになったので、1歳で失くした可愛い笑顔もいつかまた見せてくれるのではと期待しています。とにかくこれからはリハビリをコツコツ行い、体の動かし方を体得させるのが大切だと思います。 

なお、息子は小児慢性を取得していますが、住んでいる区では中学校卒業まで医療費が完全無料のため、スピンラザの投与も無料で受けることができました。 

【体験談5】

地域の小学校に通う娘は8歳の2年生です。

SMAⅡ型と確定診断を受け早7年を迎えようとしています。 

治療法が全く無いと言う事で当時はかなり落ち込みましたが、医学の進歩を信じ、いつか来るであろう完治の日を少しでもより良い状態で迎える為に、家族一丸となって頑張って来ました。呼吸筋・側弯・関節の拘縮にはリハビリやマッサージ等で気を使って来たのと平行して、国内外のSMA治療についてネットでの情報収集は欠かせませんでした。

娘には、確定診断して頂き肺炎や体調不良での入院でお世話になる病院と、ある薬の治験を始めると情報を得て通い始めた病院にそれぞれ主治医が居ます。 それぞれ月一で通院しており、新薬や治験の情報をそれぞれの主治医とも情報交換を行って来 ました。 

そして17年7月に承認され、8月には1型が投与開始となり、いよいよ現実になった時に一つの病院では病院側の都合で出来ないと言われました。 

そして17年9月22日に遅延型(II型・Ⅲ型)も承認となり、もう一つの病院の主治医から早ければ来週に投与出来ると連絡を受け、降って湧いた様な嬉しい申し出を受けました。 

娘の病院での投与は1回目だけでなく、毎回2泊3日の日程で行われます。

1日目:入院手続き・体調チェック・採血&点滴ルート確保・PTの先生による体幹と可動域評価 

2日目:投与前の食事は絶食となり、約2~3時間前から水分補給の点滴が開始され、1時間前には背中の投与部分に仏痛緩和クリームを塗布処置室へは自分で電動車椅子で入室だいたい10~20分でストレッチャーで部屋に帰って来ます。 

薬の加減でぐっすり眠った状態の時と目覚めた状態で帰って来る時とがあります。 

投与後は寝てても起きていても1時間は背中を下にした状態にしていなくてはなりません。(髄液漏れを防ぐ為) 

頭痛や体調不良が無い事が確認出来れば、飲食可能となります。

3日目:体調チェック・PTの先生による 体幹・可動域の評価を受け退院

以上が娘の投与内容です。 投与を受けただけでは効果は上がらないと私は思っています。実際、まだ日本では投与を受け た人も少なく、リハビリについては手探り状態なのが現実です。

娘は17年12月21日で3回目の投与が終了しました。 投与後に感じた変化は…

・首がしっかりしてきた

・体幹がしっかりしてきた

・足に力がついてきた

・筆圧が強くなった

・立位具での立位時間が伸びた(立位時間が伸びた事で心配していた左足首の内反が改善された)

・疲れたと言わなくなった

・両手持ちだったコップが片手で飲む様になった(支援学級の先生による感想)

まだ娘自身が効果を感じれる程ではありませんが、効果は着実に出ていると思います。

今後の課題としては、身体の動かし方を身体に覚えさせる事です。歩いた事が無い子に歩いてみなさいと言っても身体の動かし方が身についていないので難しいですよね。先ずはどこに力を入れるとどう動かせるか少しずつ習得していけたら…と思っています。

【体験談6】

「スピンラザ4回目投与を終えて」

息子は1才のときにSMA1型の診断を受けました。限りなく2型に近い1型で自発呼吸ができています。首は座っておらず、1才半のときスプーンを持つのがやっとの握力でした。成長と共に体は大きくなり動く範囲も少なくなりました。

家ではほとんど寝た状態で過ごしています。今は側湾はないものの、膝の裏や股関節がのびにくくなっています。使用している医療機器はカフアシストその他は風邪のときバイパップ、吸引器、酸素です。 

スピンラザのことは診断を受けたときに知り、すぐに主治医にスピンラザの治験をしてほしいと頼みましたが断られました。今思えば無理なお願いでした。 

それからも2年間主治医にはスピンラザのアピールをひつこくしていました。 

そして2年後の3才2ヶ月のとき薬が承認され、地元の病院は準備しているが時間がかかると言われて、以前からお世話になっていた隣の県の病院で投与することになりました。 

隣の県の病院の主治医は「まだうちの病院でも誰も投与していないので少し待ってから投与してもよいですよ。」と言われました。しかし、風邪をひく度に気管切開の可能性がある息子なので、私たち家族には待つという選択はありませんでした。 

そして、承認から一ヶ月後、息子は3才3ヶ月でスピンラザ一回目の投与をしました。

最初の投与の時は4泊5日の入院で、心電図、レントゲン、視線の動き(トビー)、ホルター心電図、呼吸からの代謝検査、骨格筋からの代謝検査、睡眠時脳波、血液検査、尿検査などをして入院4日目にスピンラザ投与をしました。 (※運動面の評価は事前に行いました ) 

投与の流れとしては投与一時間前に表面麻酔のクリームを背中に塗り、処置室に移動。ルート確保、軽く眠らせて投与という流れです。眠らせると呼吸が浅くなることも考えられましたが、息子に怖い記憶を残したくなかったので眠らせてもらいました。結果spo2も下がらず投与後すぐに目覚めて病室に帰ってきました。処置室に入り一時間ほどで全てが無事終わりました。 

2回目からは一泊の入院で投与しています。今4回目の投与が終わりました。 

一回目の投与から3ヶ月がすぎて、息子の体には変化がありました。

寝た状態で手を上げることができるようになりました。以前は上腕が上がることはありませんでした。それから、フォークでイチゴをさせるようになったり。睡眠時の心拍が下がっても70台だったのに60台まで下がるようになりました。足にも力が以前より入るようになりました。誰もが効果があるかはわかりませんが、息子は投与して効果のようなものが現れていると思い ます。 

スピンラザを投与して家族が前向きになりました。リハビリも維持する目標から改善する目標に変えて、大きく内容を見直しました。今はリハビリ施設で立位台にチャレンジしています。

仰向けで角度は50度ほどですが、初めて立ってみたときの息子の顔は忘れられません。

【体験談7】

●患者状況

5歳女児

SMA1型(1型の診断ですが、呼吸状態などからは1.5型くらい?)

側彎あり:Cobb角51度 ただし腰椎はあまり曲がっていない

呼吸状態:呼吸器感染時、夜間、昼寝のときにNPPV使用。適宜カフアシスト使用

医療ケア:現在はカフアシストとNPPV 栄養剤を経口投与 

●スピンラザを投与するまでの経緯 

通院先の女子医大より、地元の病院の主治医宛てにスピンラザ投与依頼の紹介状をもらったが、「人手が足りない」「小児神経専門医がいない」との理由で断られてしまい、隣県の大学病院に相談したところ、投与していただけることとなった。 

●投与時の詳細 

・投与前後の検査項目

採血、神経学的診察、全脊柱X線。脊椎のMRI検査は勧められたが、鎮静は呼吸状態が心配であったため、やりたくないと返事。腰椎はあまり曲がっていないので撮影なしで注射することとなった。遺伝子検査のコピーを提出した。投与後はとくに検査はしておらず、バイタルサイン測定のみ。 

・入院日数

1回目は投与前日入院、当日午後2時に注射、1時間床上安静、その後安静解除され、翌日午後2時に退院許可。 

2回目は2泊3日入院ではあったが、翌日9時に退院。 

3回目より1泊2日(投与当日午前中の入院、翌日午前中退院)。日帰り投与も可と言われたが、遠方のため翌日退院を希望した。 

・処置の様子

1回目のみ点滴確保。2回目以降点滴なし。午後2時投与のため、注射当日午前8時以降食事禁止、12時以降飲水禁止。投与時モニター装着。投与1時間前に、腰部に局所麻酔剤のクリームを塗付。鎮静剤なしで23Gルンバール針で腰椎穿刺(L4/5)。エクステンションチューブを接続し、5ml髄液排液後、スピンラザを2分以上かけて注射。

2回目以降22G針となり、処置時間が短縮された。ちくっとしたが我慢できる程度の痛みだった、と本人。穿刺時のみまわりの状況にびっくりして?(見学者多数のため?)少し泣いてしまいましたが、2回目以降は泣かずに大丈夫でした。 

・評価リハ

とくに行なってもらっていません・・・。地元の病院に、投与前と変わらず週1回行なってもらっています。 

●投与後の様子や効果 

痛みはなし。1時間ベッド上安静後、食事も可となり、通常通りの生活。 

現在までに4回投与を終了しましたが、効果は少し腕の動きが良くなったかな?程度で、残念ながらあまり変化ないようです。

【体験談8】

「スピンラザ投与の実際」

4歳6ヶ月のⅠ型の息子は、生後半年より人工呼吸器を装着し始めました。現在自発呼吸はありますが大変弱く、呼吸器の離脱は出来ません。酸素も常時使用しています。側弯は極軽度あり、整形外科に半年毎受診していますが悪化は見られません。

スピンラザの投与については、承認前から動き始め、かかりつけの病院へ投与を希望していることを話しました。承認後、主治医は投与に積極的でしたが、新薬であること、高価な薬であること、倫理的な面などから思うように話が進まず、かかりつけの病院内だけでなく、県内の病院同士での話し合いも持たれたようです。主治医の働きかけが大きく、院内の臨時薬事会承 認後、11月から投与開始となりました。 

投与前、理学療法士により運動評価、呼吸状態の評価がありました。治療のための入院日数は2泊3日です。主治医がSMAのこと、スピンラザのことをまとめた説明用紙を作成してくれてあるので、初回投与入院時にそれを用いて再度詳しい説明を受け、スピンラザ投与と髄注の同意書にサインをしました。

こちらの病院では、初回は手術室で麻酔科医と神経科医により治療が行われるので、投与前日には麻酔科の診察と、手術室看護師による聞き取りがありました。投与についての詳しい説明だけでなく、私達親の要望や注意して欲しい事なども時間をかけて聞いてくれたので、安心できました。カニューレの刺激で痰が出ること、迷走神経反射に注意して欲しいこと、股関節の亜脱臼と右腕の骨折の既往があるので体位に注意して欲しいことなどを細かくお話ししました。その後、胸部レントゲンを撮影しました。

投与当日は、4時以降絶食、8時以降絶飲食、11時頃入室というスケジュールでした。朝採血と点滴ルート確保をし、術衣に着替え準備をして入室の連絡を待ちました。11時20分入室となったため、11時に病棟で鎮静剤を注腸してからストレッチャーで出発しました。移動中は呼吸器は使用せず、医師がジャクソンリースで押しながら移動、手術室では手術室の呼吸器を使用したそうです。本人は開眼していましたが、ぼーっとした状態で入室しました。入室後麻酔を少量追加し入眠後投与しています。

約1時間後に手術室から出てきて、本人はぐっすり眠った状態での帰室でした。終了後は2時間仰臥位で安静の指示があり、覚醒し安静解除後に看護師により穿刺部の確認がありましたが、穿刺部周囲の腫脹がみられ、医師による診察の結果翌朝までガーゼにより圧迫することになりました。体位交換毎に除圧をしたりしながら一晩過ごし、翌朝診察時には腫脹はなくなっていました。バイタルサインなどは異常なく、本人も普段と変わらない様子でした。 

投与翌日、医師の診察後に退院許可があり、無事に退院出来ました。退院後も副作用のような症状も全くなく過ごせています。

2回目の投与も、主治医が学会で不在ということもあり、特別に手術室での投与でした。2回目は30分で帰室し、特に問題なく終了しています。麻酔については初回同様で、本人は眠ったままの投与になりました。また、前回終了後に穿刺部の腫脹があったため、細い穿刺針を取り寄せて使用したそうです。

3回目は病棟での投与でした。神経科医が穿刺、投与をし、総合診療科医が麻酔と呼吸管理をすると説明がありました。病棟では空いている個室を使用しました。投与1時間前に表面麻酔のクリームを塗布し、投与前に笑気麻酔を使用し意識はある状態で投与したようです。今回は、麻酔が覚めた直後に気管カニューレのサイズアップも行ったので、泣きながらの帰室でしたが、絵本を読んでいると落ち着きました。その後も異常なく、普段通りに過ごしています。 

病院の評価としては、4回目の投与の入院時に理学療法士による運動評価を行うと説明がありました。評価時期等、特に決まっていないそうです。また、その評価方法は「首が座る」「寝返りを打つ」等の大きい評価しか出来ないので、家族から見た小さな評価を大事にしたいと主治医から話がありました。HINE手帳に細かいことを記入し、受診時に報告しています。

私達が感じた変化は、手足の動きが大きくなってきたことです。腕は肩から大きく動かし、スリングで吊ると太鼓絵本の太鼓をしっかり鳴らせるようになりました。足は股関節から動かすことが出来、お風呂に入ると上下左右にゆらゆらさせています。物を握る力も強くなってきま した。口唇の動きも出てきたので、2年程前から無くなった笑顔が出来るようになることを期 待しています。 

新薬ということ、投与方法も髄注であったことで、不安もありました。しかし、息子の治療に関わる多くの先生方が慎重すぎるくらい慎重に準備して下さっていること、そして何より息子に苦痛を与えず、トラウマにならないようにと考えて下さっていることで、安心して治療が出 来ています。 

【体験談9】

「スピンラザの初回投与を終えて」 

●児の状態 

SMA2型の9歳女児。

側彎症による彎曲58度(体幹コルセット装着で47度まで矯正) 

呼吸器の使用・医療ケアは無し。 

日常生活では電動車椅子での移動、室内では背這い・ずり這いでの移動可能。 

自力で臥位から座位をとることも可能。 

骨盤帯付長下肢装具を装着しての立位訓練。歩行器での歩行訓練。 

●投与までの経過 

スピンラザについての情報は、主治医や家族の会から得ていた。 

最終的な投与の決断は、勉強会への参加と主治医の意見、本人の意思による。 

9月の遅発型への適応承認後、投与まで日程調整の期間がしばらくあり、その間体調管理には特に気をつけていた。 

スピンラザ投与のスケジュールについて主治医より連絡が入り、入院期間・投与日・事前検査・1クールの日程について説明を受けた。 

事前検査は、①肺機能検査②胸部レントゲン③心電図③CT④末梢神経伝導検査⑤リハビリでの評価があった。また、検査については児の体力的な負担を考慮し、入院する前に外来通院で行った検査もあった。 

初回投与は、2泊3日の日程でした。 

入院1日目は、検査の前に(疲れる前に)リハビリ評価ができるようPTの先生が配慮してくれた。 

リハビリの評価項目は下記のとおり。 

・HFMSE:座る、寝返る、起き上がるなど体を動かす評価 

・RULM:椅子に座って、手の動きをみる評価 

・PEDI:家や学校での生活についてPTと話をする 

・COPM:今できなくて困ること、できるといいなと思うことをPTと話をする 

・6分間歩行:歩行器で6分間歩ける距離を評価 

スピンラザにより運動効果の表れをより根拠あるものにしたいという気持ちが強く伝わった。リハビリ評価(HFMSE・RULM)はビデオ撮影のもと4人の担当PTに見守られ1時間程行われた。 

PEDI・COPMは入院期間中のベッドサイドなどでPTと話をしながら行われた。 

その他の検査も、児が疲れないよう時間調整してくれた。 

入院2日目、スピンラザ投与当日は朝8時から絶飲食となる(朝食なし)。 

まず、投与前の歩行器歩行の評価を受けるため、リハビリ室で6分間歩行を行った。 

その後、病棟に戻ってからは投与までテレビを見てリラックスして過ごした。 

投与1時間程前に、担当医師により穿刺部の確認と穿刺時の体位が説明され、貼付用局所麻酔剤(リドカインテープ)がつけられ待機。 

医師から声がかかると処置室へ移動、処置台へ側臥位をとらせた後に親は退室となる。 

30分程で終わり、処置室に迎えに行くと本人はDVDを観ており「全然痛くなかったよ」といつもどおりに楽しそうに医師たちと話をしていた。 

髄空内注射後は、ストレッチャーで部屋に戻り1時間の安静を言われた。 

1時間後のバイタルチェックで問題なく、座位をとらせても頭痛などの副作用もみられず水分をとった。その後も体調に変化はなく、食事も摂取することができた。 

入院3日目(退院日)は、医師が穿刺部の状態を見た後にガーゼをはずし、そのまま退院。 

帰宅後、当日はシャワー浴にし、次の日から入浴とした。髄空内注射後の注意点は特に言われなかったが、念のため、自宅では体温測定し発熱がないか、また頭痛の症状がないかなど気にかけながら数日間は過ごした。 

●2回目の投与に向けて 

スピンラザ投与後19日目現在、すでに本人が自覚している変化が見られる。 

・指先に力が入り、今まで押せなかったスイッチが押せる 

・首の前屈、後屈が楽にできる 

・内転筋に力が入り、両膝の間で物を挟む力が強くなった 

投与前後での変化が日常生活の中で見られたときには、具体的に記録することとしている。2回目の投与は1泊2日の日程で、入院1日目に投与予定。当日は朝8時から絶飲食の状態で来院するよう説明を受けている。

今後、2回目の投与に向けての期待も大きい。 

【体験談10】

初めまして、和歌山県在住、19歳2型の娘の親です。 

娘の側弯が約110度に加え捻りが加わっている為、かかりつけの大阪の病院で脊髄注射は簡単には行えないと診断されていました。

しかし、12月4日よりその大阪の病院にてスピンラザ投与が可能か主治医を始め麻酔科、脳外科の医師のチームでCT、エコーによる画像診断により脊髄注射が可能であるとの結論が出た為、来年1月15日に1回目のスピンラザの投与が決定いたしました。 

夏の時点では側弯が進んでいる事から、脊髄注射はかなり困難ですと言われていたので、スピンラザ投与可能の結果には娘を始め家族全員大喜びです。

脊髄注射が困難ならばオンマヤと言う方法があるそうです。 

「出来ないならそこで立ち止まらず出来る方法を考える」精神で頑張りましょう。 

【体験談11】

「スピンラザの投与について」

息子は生後4か月でSMAⅠ型の確定診断を受け、11か月で人工呼吸器を装着しました。3歳で胃瘻を造設。現在9歳で、身長145㎝、体重26㎏と年齢の割に大柄、体調はおおむね良好です。側弯はほぼありません。体の動く部分は両手の人差し指と親指、両股関節と、両肩、表情筋は左の口角が少し上がる程度です。

スピンラザの投与については、承認当初から投与希望の旨を主治医に伝えていました。息子の確定診断時にはSMN2のコピー数を調べていなかったので、投与に向けて、早い時期にコピー数の確認を行いました。投与開始から数か月は頻回な入院が必要となるため学校行事との調整が難しかったです。主治医と相談し、大きな学校行事とぶつからないように4回目までの投与スケジュールを決定し、11月下旬に初回投与を行いました。

初回投与は、3泊4日の入院でした。スケジュールは以下のような形でした。

1日目 胸部レントゲン、心電図、末梢神経伝導検査、事前評価リハビリ、夜間ETCO2モニター

2日目 採血、採尿、CT、事前評価リハビリ

3日目 投与時の姿勢確認、リドカインテープ、スピンラザ投与、筋量測定、事後評価リハビリ

4日目 投与部のチェック、事後評価リハビリ

当日の朝はいつも通りに朝食をとり、10時頃に患部に鎮痛剤テープを貼りました。11時くらいに処置室へ向かいました。多くの医師に囲まれたためか、本人は心拍数、血圧ともにかなり上がっていました。処置室に入ってからは落ち着いていたようで、投与時も泣いたり痛がったりせず、落ち着いていたとの事です。処置室から出てきたのは20分後。病室に帰ってきて親の顔を見たらワッと泣き出しました。どうしたの?痛かった?と聞いたら、「痛くはなかった、いつもの注射の方が痛い、でもすごく緊張した」とのこと。事前に説明を聞いたり、姿勢の練習をしたりしていましたが、初めての体験でかなり緊張したようです。

投与後は枕をとり、頭を下げて安静にしました。看護師さんが15分ごとに心拍数と血圧と体温をはかりに来ましたが(心拍数や血圧が突然下がったりしないか確認するため)、逆に心拍数と血圧は2時間くらい高い状態が続きました。しばらく涙をこぼしたり甘えたりしていましたが、13時頃に遅めの昼食をとると、だいぶ気持ちが落ち着いたようで、夕方には平常に戻りました。患部にガーゼを貼っていたので、当日の入浴は控えました。

2回目と3回目の投与の際は、1泊2日の入院でした。事前に評価リハビリを行ってから、初回とほぼ同じ流れで投与を行いました。本人も2回目以降はだいぶ慣れたようで、泣いたり痛がったりはせず落ち着いて投与を受けていました。ただ投与後数時間は、やはり血圧と心拍数が高い状態が続きました。当日の午後と翌日の午前に、約1時間ずつ評価リハビリを行い、翌日の昼頃に退院しました。

リハビリの評価項目は大きく分けて以下の3つです。

・CHOPINTEND(全身の体の動き)

・REDCORD(足、腰など下半身)

・スイッチ(両手指先)

現在3回目の投与を終えましたが、3歳の頃からまったく動かなくなっていた両手の中指と薬指が、動かしてごらんと言うと、力を入れてピクピクと上下に動かせるようになり、びっくりしました。スイッチの評価は右手親指と左手人差し指で行っています。1分間に何回スイッチを押せるかをタイマーではかって回数を数えていますが、投与前よりも押せる回数が増えてきました。

また側臥位が非常に安定しました。これまではクッションがないと体が後ろに流れていってしまいましたが、支えがなくても側臥位を維持できるようになり、介助が楽になりました。側臥位の状態のままREDCORDで脚を吊ると、お尻を振るダンスのような動きも見せるようになりました。これは生まれてから一度も見せたことがない動きです。臀部と腹部に少し力が入るようになった様子です。また股関節の内転筋も今まで以上に強くなり、1分間で脚を内側に倒せる回数が増えました。

1歳の頃から息子のリハビリをしている訪問PTさんには、関節に弾力が出てきて筋肉に収縮が見られ始めていると言われました。訪問看護師さんには、表情が良くなった、視線がしっかり合う回数が増えたと言われます。親だけでなく、普段から子供と関わってくれているスタッフの方も違いを感じているようで嬉しいです。なにより本人が、体を動かせることが嬉しいようで、音楽に合わせて楽しそうに体操しています。今後も本人が楽しみながらリハビリを続けられれば良いなと思います。

【体験談12】

<本人の状態>

9歳1型。気管切開による人工呼吸器管理(24時間)で自発呼吸はなし。側弯はほぼなし。

手の親指がわずかに動くが、見た目にはほとんど動いているようには見えない程度。

<投与に至るまで>

スピンラザについて、主治医とは承認前から情報交換をしてきました。主治医も積極的に動いてくれたので、話はスムーズでした。

ただ、承認されてから具体的な話になった時に、「やはりうちの病院では難しい。他の病院で打つことを考えないか。」という話になりました。そこで病院を少し調べてはみましたが、よく知らない病院で投与することの不安と、投与自体に対する不安もあり、少し様子をみることにしました。ただ、いつ投与するという話が出てもいいように、投与の姿勢を作るリハビリを自宅で毎晩するようになりました。

そうこうしているうちに、他の病院で実際の投与が始まっていました。主治医たちは他病院の投与の様子を見学に行くなど勉強を進めてくださっていたそうです。そして、その後前向きに検討すると言っていただくことができました。その時点で姿勢が作れるかのチェックを受けましたが、リハビリの甲斐あって「いけそう」とのことで投与する方向に進みました。

<投与の詳細>

●投与前の検査

レントゲン、採血、動きの動画撮影(家でも撮影するように指示あり)

●入院日数

1日(日帰り)

●処置の様子

10時過ぎ 麻酔のシールを張る

11時  処置室へ。投与。

11時半 病室へ移動(1時間安静)

12時半 昼食(注入)

13時半 退院許可

※退院後も、母が漏れはないか等見たり触ったりして定期的に確認。

※当日のお風呂は中止の指示。

●痛みの程度

後で本人に確認すると、刺すのは痛くなかった、手が変な向きになっていたのが痛かった、と言っていました。ただ実際見ていましたが、針を刺すとき、薬を注入する時はHRが上がり顔をしかめていたので、少しは痛かったのではないかと思います。処置中は涙目になった程度でしたが、病室に戻ったあと少し涙をこぼしました。沢山のギャラリーに囲まれていつもと違う雰囲気での処置となり、不安や緊張も大きかったのだと思います。

次回投与方法を、今回と同じシールだけにするか、痛みの少ない麻酔にするか、を本人に提案したところ、シールで頑張る、と言ったので、次回もシールを貼って投与することになっています。

<投与後の様子や効果>

まだ1回目の投与が終わったばかりなので、効果については分かりません。でも、少しでも改善し、笑顔がまた見られるといいなと思い、顔のマッサージなど念入りにやっています。

【体験談13】

「スピンラザ投与4回を終えて」

<我が子について>

現在3歳7か月。1か月健診で異常を指摘され、生後2か月でSMAⅠ型の確定診断を受け、生後3か月で気管切開し、24時間人工呼吸器管理しています。成長とともに、ねじれはまだないものの、側弯は出てきています。1歳の頃は恐らく加湿不足により体調が優れないことも度々ありましたが、加温加湿器を替えてからは、大きく体調を崩すこともなく過ごしています。

<投与に至るまでの経緯>

スピンラザについては、承認の前年から主治医に投与したい旨を相談しており、その時点での治験情報やバイオジェンの方にお話しを伺った内容などを話したりしていました。2017年4月に主治医が替わったのですが、きちんとこちらの想いを引き継いでくださっており、新しい主治医も積極的に情報収集してくださり、承認前からバイオジェンともやり取りしてくださっておりました。

承認されてからその病院では投与不可ということがわかりましたが、県下唯一投与可能な病院と連絡も取ってくださっており、薬価がつくまでの間にスムーズに初診、相談ができました。薬価がついて、さあ投与可能!となっても情報が少なく、不明点が多かった(例えば薬を取り寄せたが打てなかった場合、どこに請求すればいいのかなど)のと、高額かつ初の薬ということで様子見もあっただろうと思いますが、ひとまず検査してみないと、ということで9月末の検査入院が決まりました。

<投与前検査>

9日間の入院となりました。内容は心電図、脳波、検尿、採血、止血(出血時間)の検査、CT(胸部、脊髄)、MRI(頚部、全脊椎)、心エコー、針筋電図、レントゲンです。CTやMRIの時には鎮静のため、点滴で薬の投与をしています。

リハビリはOT、PT、STに入ってもらい、投与前は可動域を測ったり、今できること、できないことを挙げていったりしました。

投与に関しては、低年齢であること、一旦泣いてしまうとSpO2が下がりHRが上がり、平常時に戻るまで時間がかかること、一度で終わるものではなく継続して治療していく必要があるものなので、不安を取り除く意味もあり、全身麻酔(吸入麻酔)でするとのことでした。姿勢は安定しそうということと、身体がねじれてしまうとスムーズに針をさせないので腹臥位でいこうと思っていますということでした。確実に投与することを目的に透視下で行なうということでしたので、側臥位にしたときに足が脊髄(刺す場所)に被ってしまうと見られないということも考慮されていました。

<投与1~4回>

水曜日に投与なのですが、入院は月曜日から金曜日の5日間となります。投与までにレントゲンと心電図、採血、麻酔科の受診を毎回します。投与前のリハは可動域等、測れるところを測っていく形。投与後にも行なって、データを比較します。

前日21時の水分補給を最後に絶食、点滴のみ。9時前に手術室へ到着、4回とも40分前後で呼ばれて手術室に迎えに行きました。鎮静から覚めている時もあれば、そのまま寝ていることもありました。一回目は吸入麻酔のみでしたが、腰椎穿刺の際にピクッとしたらしく、二回目からは局所麻酔もしてもらっています。

体位も結局は左側臥位で投与し、足も邪魔することなく透視できているようです。

麻酔は麻酔科が、投与は主治医の小児神経科のドクターが担っています。

麻酔の影響からか、12時半前後あたりからHRの数値が上がり、アラームが鳴り止まない状況が小一時間続くことがあります(4回中3回)。使用している麻酔の特性も説明があったので、その影響かと思っています。急に痛み等の苦痛がくるのかもしれません…。一度、一時間を超えても収まらず、血圧が高くなったため、痛み止めを投与してもらいました。

効果としては、関節や筋肉を柔らかく保てているということ、手や足は付け根から動くようになったことが大きく変わった点かなと思います。力自体も強くなっており、訪問や通所のリハの先生方も驚くほどです。

次回は四ヶ月後となりますが、その数週間後に投与後半年の評価のため、入院することが決まっています。

【体験談14】

「スピンラザ投与 ワンクールを終えて」

息子は一型で今4歳です。

気管切開をし呼吸器管理をしています。

スピンラザが承認される以前から、承認されたら投与したい旨を主治医に話していました。

息子が外来で通っている病院では投与まで時間がかかるため、治験を行っている病院を紹介していただき、承認前から通院しました。

承認され、投与のスケジュールが決まった時は、家族でお祝いしました。

一回目の投与の時は、私もガチガチに緊張していましたし、それが伝わったのか息子もガチガチでした。 ベッド上で、髄注の姿勢をとり、眠たくなるお薬で眠ると、私は退室。

緊張して待っていた時間は15分もっと時間がかかると思っていただけに、驚きながらもホッとしました。 その夜は付き添い入院でした。副反応があるのかないのか、私の緊張は続いていました。

途中で息子が泣き出し、

「背中痛いの?」

と聞くと

「うん」

と。それをお医者さんに伝えると、

「そりゃあ痛いよー」

との事で…(今となっては笑い話ですが 笑)

その日は私の睡眠時間、1時間もなかったかもです…

息子が寝た後も、緊張して起きていました。

翌朝、特に副反応等出ずに、元気に退院できました。

2週間後に二回目。

また2週間後に三回目。

と、過密スケジュールでしたが、息子も私も、だんだん慣れてきて、夜はぐっすり眠れるようになりました。

四回目も、同じような流れでの投与でした。

四回目の投与を終えて、一ヶ月ほどたつのですが、本当に緩やかですが、効果効能が出てきているように感じます。

スピンラザ投与前に、訪問看護さんに、身体の計測をお願いしており、その数値と今を比べれば、頭囲は変わらないですが、二の腕や太ももが、大きくなりました。数値で見られると効果の実感がわきます。

また、我が家は週5で訪問リハさんが来てくれているですが、PTさん、STさん、OTさん、それぞれの方が、「力強くなった」と、言ってくれています。時間はかかりますが、首を自分で動かせたり、より正確にスイッチを押せたり、眠るときに目を閉じられるようになってきています。

本当に少しずつですし、まだまだこれからですが、毎日の生活をより効果を活かせるように工夫していきたいと考えています。

【体験談15】

「初回投与を終えて/3型、成人」

3型成人患者です。
確定診断を受けたのは数年前ですが、おそらく中学生ごろに発症しています。
現在40歳を越えていますが、まだ歩行可能で、進行は非常に緩徐な部類になると思います。

先日、一回目のスピンラザ髄注を受けてきましたので、その体験談です。


■■スピンラザ投与まで
主治医の先生は、スピンラザが1型向けに承認された段階から情報をチェックしていたようで、2型、3型に適応が拡大された直後の外来で、投与の意思について確認がありました。
その時点では、「3型成人患者での効果がまだはっきりしていないこと」「髄注のたびに入院があること(就業していますので、職場での調整も必要)」が気になり、しばらく検討させてください、と返答しました。
しばらくは悩みましたが、入院については職場の理解、協力が得られる見通しが立ち、効果についても「やらなければ進行するのは確実なので、とりあえずやってみよう」という割り切りで、投与を受ける決断をしました。
2018年4月に、主治医の先生にスピンラザの投与をお願いしましたが、その後、病院内の調整や効果の評価方法の検討などで1年ほど待たされ、先日ようやくスピンラザ投与のための入院となりました。


■■入院(検査と髄注)
初回ということで念の為に1週間程度の入院期間を考えておいてくださいとの説明を受け、入院の準備をして入院予定日に病院に向かいました。

 

●1日目
・担当医による診察とスピンラザの説明、同意書の記入
診察は、普段の外来で受けているのと同様の徒手筋力テストや、腱反射の確認などでした。説明については、すでにSMAについてもスピンラザについても私の方でもそれなりに情報を調べているため、簡単に済ませていただきました。
また、この時に入院期間についての説明もあり、特に問題が無ければ髄注の翌日(3日目)には退院可能とのことでしたが、初回ですので念のために3日目は1日様子をみて、4日目に退院、ということでお願いしました。
・運動機能評価(6分間歩行試験、HFMSE試験)
6分間歩行試験は、杖を使わずに病棟の廊下で6分間、どれだけ歩けるか、というテストです。
杖を持たずに長時間歩くのは久しぶりなので少し気を使いましたが、問題なく終了しました。
HFMSE試験は、いろいろな姿勢で腕や足を指示されたとおりに動かせるか、姿勢を指示されたとおりに変更することができるか、というテストです。病室にて行いました。
・採血、心電図、レントゲン撮影
レントゲン撮影は、胸部のほか、頚椎、胸椎、腰椎を撮影しました。

 

●2日目
・スピンラザ髄注
髄注にあたって、特に飲食の制限はなく、「1時間ほど安静にする必要があるので、事前にトイレは済ませておいてください」という注意のみでした。
髄注は病室にて実施。側弯などもなく、横向きに寝て背中を丸めるという通常の腰椎穿刺の姿勢が取れたので、その姿勢になり、先生が背中側から行いました。
流れとしては、消毒→局所麻酔→腰椎穿刺→髄注→後処理で、背中側で作業されるため何をされているかわからず少々不安でしたが、先生が随時説明してくれました。
痛みは、局所麻酔の注射の痛み(採血などの痛みと同じ程度)くらいで、腰椎穿刺と髄注の時は、背中の奥で何か圧迫されるような感触は感じましたが、痛いというほどのことはありませんでした。
担当の先生は、スピンラザ髄注は初めてとのことでしたが(この病院の脳神経内科全体で、スピンラザ髄注は初めてだそうです)、さすがに脳神経内科の先生だけあって、腰椎穿刺の手際は良く、準備から30分ほどですべて終わりました。
髄注後、1時間ほど安静にした後は、売店に行ったり食事をしたりといつも通りに過ごしました。

 

●3日目
・様子見
朝、担当の先生が様子を見に来たくらいで、特に検査などの予定はなかったため、1日ゆっくりしていました。といっても、頭痛(後述します)があったので、ほぼ1日横になっていましたが…

 

●4日目
・退院
頭痛はまだ残っていましたが、それ以外は問題なし、ということで、予定通り4日目に退院となりました。


■■副作用など
スピンラザ髄注による、大きな副作用は今のところありません。
細かいところでは、腰椎穿刺が原因と思われる頭痛と吐き気がありましたが、すでに回復しています。
頭痛については、髄注翌日が一番ひどく、徐々に良くなっていって5日ほどでなくなりました。痛み自体は、そこまでつらい物ではなく、必要があれば買い物に行くことなどもできましたが、横になっていると完全に痛みが無くなるため、頭痛がある間は極力横になって安静にしていました。
吐き気については、退院した日とその翌日にありましたが、非常に軽いもので、食後に少し気持ち悪いかなと感じる程度でした。


■■最後に
まだ初回の髄注から半月もたっていないため効果についてはわかりませんが、髄注自体はそれほど大変なものではありませんでした。今後、予定通りに2回目以降の髄注を行うことで、何らかの効果があることに期待したいところです。

 

 
 

このページの著作権はSMA(脊髄性筋萎縮症)家族の会にあり、無断転載は固くお断りをいたします。

このページはリンクフリーです。但し原則として本ページ(index.htm)にリンクをお願いいたします。